もう一度歩きたい

〜てあて在宅マッサージ 長野〜


 「もう一度歩きたい」それがT様の願いでした。
 脳梗塞で倒れ、入院、リハビリ。T様の懸命な努力により、短距離なら歩けるようになったそうです。
その後施設に入所されましたが、そこではリハビリは全くなく、数ヶ月後、T様は歩く事ができなくなってしまいました。
正確には「もう歩くことができない」と思い込んでしまったのかもしれません。
 その後、今の施設に移られ訪問マッサージが開始されました。「春頃には歩けるようになりたい」T様と息子様の話でした。初療でT様のお身体の様子を拝見しました。
「少し歩いてみませんか」T様は驚いた様子でしたが、ゆっくりと約十メートル程歩くことができ、これには私も驚きました。
 翌日T様が仰いました。「昨夜は嬉しくて一睡もできなかった」と。
私達から見ればたったの十メートルですが、T様にとっては待ちに待った十メートルだったのです。
 これからもお身体の機能の向上を目指し訪問は続きます。患者様の笑顔を見るたびに、私は訪問を続けます。

長野院 吉澤 賢一


※原文のまま