心も手当てしてくれたマッサージ

〜てあて在宅マッサージ 昭島〜


 M・K様、7年という長い間訪問しましたが、今年7月ご逝去されました。当初は負荷抵抗運動や介助体操など、積極てきに取り組まれていました。
「先生、色んな治療をしてきましたが、マッサージは私に合っているみたいです。」「やってもらった後は、本当に体が楽になるんですよ。」いつも笑顔でそう仰っていました。
 休日には、M様が希望される所へご家族でドライブ、充実した休日を過ごされていました。築地に行かれた後には「先生、やっぱり築地のお寿司は最高ですよ。」と嬉しそうにお話をされていたのが印象的です。
 長期訪問する中で、入院・手術、時に転倒もありましたが、M様の強い気持ちでトイレには杖を使用して歩いていかれる等、ADLは維持されていました。
 日中の見守りを含めた訪問が継続し、穏やかな生活が続きました。
 7月6日、大好きなマッサージを受けた数時間後、娘様ご夫婦に手を握られて安らかに眠られました。
娘様からは「"てあて"って目には見えないけど、身体だけではなくて心も手当てしてくれていたんじゃないかな…って思うの。だから、在宅マッサージには本当に感謝しています。長い間ありがとうございました。こんなに素晴らしいサービス、もっと皆に伝えたいわ。」
 言葉が出ませんでした…。これ以上の有り難い言葉はないと思い、涙が止まらなくなりました。
 在宅マッサージは、患者様は勿論、ご家族との信頼関係で成り立っていることを改めて痛感しました。
在宅で最期を迎えることは、課題も多く大変難しいことです。
しかし私達の仕事は、微力ながらもその一端を担っているのではないかと思い"我々は決して無力ではない"と誇らしい気持ちになりました。
 このような体験をさせて下さったM様へ心から感謝をすると共に、ご冥福をお祈り致します。

昭島院 沓掛 亜紀


※原文のまま